【オススメのYoutubeチャンネル②】今こそ学びのチャンス!
外出自粛要請が出されてしばらく経つ。
外出が制限されてしまうと、どうしても時間を持て余してしまうこともあると思う。
こんな時は、普段なかなか手入れの行き届かない場所を掃除したり、ゆっくり時間をかけて料理をしてみたり。
どうせならば、ネガティブな事と捉えずに、新しい時間の使い方ができるチャンスと思って前向きに過ごしたいと思い、自宅学習を始めました。
歴史が大好きだけど・・・
私は、歴史が大好き。
小説や映画でも歴史モノは大好きだし、旅行する時にもその土地の成り立ちを簡単に知っておくだけで大分豊かな時間になると思っている。
でも、ひとつだけ、苦手なことが・・・。
世界史が、あまり、得意ではない。
高校では、市民革命あたりの流れをサラッと学習した程度。
通史でしっかりと習った記憶がない。
(中学時代に通っていた学習塾で学んだはずなんだけれど、身についておらず。涙)
私は日本史専攻だったから余計にそう思うのかもしれないけれど、“地域や時代がコロコロと変わる世界史は覚えづらい!”という苦手意識を持っている。
ということで、、、
いま、
世界史を勉強しなおしています。
歴史学習にオススメのチャンネル
私が最近毎日見てとても楽しい時間を過ごさせてもらっているオススメのチャンネル、Historia Mundi先生の世界史授業動画です。
Mundi先生のとても分かりやすい授業を受けることができます。
先生は、現役の公立高校の社会科教師で何年も教壇に立たれてきたベテラン先生。
一番の人気は、「世界史20話プロジェクト」(全部で200動画もある!)と銘打った世界史の授業だが、日本史、地理の授業もアップロードされている。
好きなポイント① 暗記不要!大きな枠組みで世界を捉えている
私が苦手と感じていた、”時代と地域の入れ替わり”を極力減らし、地域ごと・時代ごとに大きな枠組みと流れを提示して教えてくれる。
これが画期的!
本当に分かりやすい。
好きなポイント② 板書スタイルの授業
そして、”板書スタイル”というのが私の一番のお気に入りポイント。
動画を見ながら、ノートを取る。
人によってはアナログだと感じるかもしれないけれど、シンプルに一番身に付く学習方法だと私は思っている。
(古い地図帳を引っ張り出して地域を確認しつつ、ノートを取っています。)
好きなポイント③ コメント欄が楽しい
純粋に歴史が好きな人が多く集まっている印象。
コメント欄を読む時間も楽しんでいます。
動画を視聴しているのは現役の高校生・受験生が多いようだけど、私のように社会人になって歴史を学んでいる人も多い様子。
動画のコメント欄でそのようなコメントを見ると、勝手に共感しまくり「うんうん!一緒にがんばりましょう!」と励まされることも多い。
同じ趣味の人たちの中にいると、心が楽しくなります。
学校教育だとどうしても時間が足らず、特定の時代についてのみの授業になってしまうこと多いのではないだろうか。
(よく3学期になって、先生が「残りはこのプリントで自分で学習してね!」なんて自作プリントを配っていたりしたなぁ・・・。)
もう一度世界史を勉強してみたい方に、おすすめです。
世界の歴史は、世の中の流れの根底にあるものだから、現代の政治や、社会問題(貧富の差、人種差別など)、宗教などをより深く理解するのに役立つ学問だと思う。
毎日のニュース、映画、音楽、小説を楽しむ時間を、一層豊かにしてくれる魔法のよう。
私はいま、高校生に戻った気持ちで毎日過ごすことができて、本当に楽しい。
お題「#おうち時間」
【映画】きっと、うまくいく 達人が作った本格インドカレーを食べた後の満足感
2009年公開のインド映画『きっと、うまくいく』。
インド映画歴代興行収入1位を記録した大ヒット映画らしいのだが、これが本当におもしろかった!
大学寮を舞台とした青春コメディ映画なのだが、ロマンスあり、サスペンス要素あり、ロードムービー的要素も盛り込まれていて、約3時間という長めの上映時間も全く中だるみが無くて苦にならない。
貧富の差・教育問題といった社会問題、親子関係の問題などにも切り込んでいて、何年も前に学校教育を修了した私でもヒリヒリするほど若者の苦悩が伝わってきた。
分かりやすく伝えるために、あえて”青春コメディ映画”と言ったけれど、それだけでは言い表せないおもしろさてんこ盛りのこの映画。
どうかたくさんの人に見てほしい!!
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○あらすじ
インドの超難関工科大学に通う3人の大学生が主人公。
世界中で活躍するインド人エンジニアを輩出している超エリートたちが競い合うキャンパスの大学寮で同室になった3人。
本当は機械よりも写真が好きなファルハーン、実家が貧しくいつも神頼みのラージュー、そして型破りの天才ランチョー。
親の期待を背負い、厳しい教授陣のプレッシャーに耐え、ひたすら勉学に励む日々。
大半の学生たちの将来の夢は、エリートエンジニアになること。
そんな中で、ランチョーはいつも異質な存在だった。
誰もが好成績を残すことだけを目標に勉強する中、ランチョーは純粋に己の好奇心にまかせて工学を学ぶ。
一見不真面目に見えるその態度は教授陣からも反感を買い、問題児扱いされているのに、成績はNO.1。
そんな彼の口ぐせは「Aal Izz Well(アール・イーズ・ウェール)きっと、うまくいく」。(※英語の「All is well」が訛ったインド英語)
笑いあり、涙あり、ロマンスありの大学生活を送り卒業した3人だが、卒業式以来ランチョーは忽然と姿を消す。
10年後、ファルハーンとラージューは、同窓生のチャトルから呼び出されたことをきっかけに、かつての日々を思い返しながら、ランチョーを探す旅に出る。
○ストーリー展開が見事
この映画のいいところはたくさんあって、魅力的な登場人物たち、劇中で繰り広げられる豪華で楽しい歌やダンス、活気のある街の雑踏や美しい景色、登場人物に感情移入せずにはいられない数々エピソード・・・、と挙げたらキリがないのだけど、あえてひとつに絞るとしたら、「ストーリー展開」だと思う。
学生寮での生活を軸にした過去のストーリーと同時に、卒業から10年後のある1日が同時進行で描かれる。
過去と現在を行ったり来たりするストーリー展開が、本当に面白い。
「どうせ学生の青春ものでしょ」と思っている人、それは誤解です!
散りばめられた伏線がひとつひとつ回収されていく様に快感すら覚えます。
サスペンス好きの人も楽しめると思う!
○この映画の好きなところ
インドなんて行ったこともないのだけど、喜び・悲しみ・苦悩といった人間の感情というのは万国共通なのだろうなぁ、とそんなことを思う。
私が思う「傑作」の定義とは、「個々の事象を、普遍的なものとして描いていること」。
こんなに見事にそれが出来ている映画は珍しいと思う。
自分とは全く共通点のない登場人物たちに思いっきり感情移入できた。
それは、前述の通りストーリー展開の見事さによるものが大きいのだけど、そのストーリーを支えているのは、この映画のフィクションでない部分(貧富の差、教育システムの不具合、自殺率の高さといった社会問題)。
インドという大国が抱える負の側面が描かれているからこそ、ただ楽しいコメディ映画で終わらない何かがある。
真面目にいろいろ書いたけど、難しく考えなくてもこの映画は素晴らしくおもしろい。
こんなに大風呂敷を広げているのに、伏線は見事に回収されていて、破綻の一切ない大団円は見事。
やっぱりインドはスパイスの国なんだなぁ。
いろんな種類のスパイスを混ぜても、カレーの味がバチっと決まるもんなぁ。
見終わった後は、何種類ものスパイスから手作りした本格インドカレーを食べた後のような満足感。
劇中で何度も繰り返される「Aal Izz Well(アール・イーズ・ウェール)」というセリフが私を元気づけてくれた。
お気に入りの料理本と、シナモンロール作り
いいお天気だあ。
朝から洗濯機をまわして、全部干し終えた。
晴れの日のお洗濯は本当に気持ちいい。
今日は手を動かしたくて、シナモンロールを作ってみることにした。
そう、映画『かもめ食堂』に出てくるアレである。
今日はすっきりした青空だったけど、風は冷たくて、北欧っぽいお天気だなぁと思ったの。
行ったことないけれど、私の想像する北欧のお天気はこんな感じだから。
↓フィンランド行ってみたいなー!
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↓群ようこの原作も好き。
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おすすめの本
参考にする本は、お気に入りの料理本、飯島奈美さんの『飯島風』。
この本は何度も読み返したお気に入りの本だけど、「レシピを参考にする」というよりは、読み物として繰り返し眺めている。
なにが素敵って、この本はハードコーディネーターである飯島奈美さんが携わった映画『かもめ食堂』、『めがね』、『プール』、『マザーウォーター』に出てきた料理の数々があの世界観のまま掲載されているところ。
例えば、『めがね』に登場したちらしずし。
ふいに訪れた大切な友人のために作るごちそうは、台所にあるもので急いで作るイメージで考えた。ち
ちらしずしには、干ししいたけ、かんぴょうなどの乾物と、ふきやれんこん、しょうが、野菜中心に錦糸卵で飾り、えびやイクラは使わずに仕上げた。
このように、メニューひとつひとつにこうした細かい設定があって、それを読むのが面白い。
それぞれのシーンの背景を踏まえたメニューなのだ。
読んだ後は、もう一度映画を観たくなる。
(私は特に『めがね』が大好き!)
載っているお料理は、珍しいものはほとんどなく、馴染みのある定番メニューが多い。
生姜焼き、肉じゃが、かき揚げ、グラタン、たまごサンドなどなど。
それなのに何故か特別で、キラキラしたご馳走なのだ。
飯島マジック!
シナモンロール作り
あまりレシピ本としては活用してこなかった『飯島風』。
今日は初めて、この本のレシピを参考にかもめ食堂のシナモンロールを作ってみた。
基本的にはパン作りと同じ。
材料を混ぜて、粉を加えて捏ねる。
生地がまとまったら、一次発酵。
ふきんをかけて暖かい部屋で休ませる。
わが家の一番日当たりの良い部屋へ。
葉っぱを拭いて光合成させている観葉植物も気持ちがよさそう。
それにしても、一次発酵させたパン生地って本当に可愛らしい姿。
麺棒でのばして、バター、お砂糖、シナモンパウダーをたっぷりのっけて巻く。
おもしろいと思ったのはここから。
台形切った生地の、短辺を上に向けて、
指で中央部分を押す。
(右下の1個、シナモンが入ってない。涙)
そうすると、あのシナモンロールの形が出来上がる。
こうやって作ってたのかぁ!
カフェで食べてるパンをイチから作ってみると色々発見があるなぁ。
オーブンで焼いてる姿をのぞく瞬間が好き。
きれいに焼き上がった〜!
コーヒーを豆から挽いてゆっくり淹れて、北欧風カフェタイム。
あまくて、ふわふわのシナモンロール。
初めてにしては上々の出来だ!
気分は、ヘルシンキのカフェ。
あまり外出できない社会情勢だけど、想像力は無限。
上手に自分のご機嫌をとって過ごしたい。
【映画】ブレイン・ゲーム アンソニー・ホプキンスの凄味
ひさしぶりにAmazonプライムで映画をみた。
なんとなく選んだ『ブレイン・ゲーム』。
主演アンソニー・ホプキンス。製作総指揮も務めているらしい。
『羊たちの沈黙』や『セブン』のテイストが混ざったような雰囲気で、このあたりの映画が好きな人なら楽しめるのではないかと。
私自身も、思いのほか、楽しめました。
(但し、後述するように上記2つのようなサイコホラーではないので、それを期待する人は注意!)
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○あらすじ
連続殺人事件を追うFBI捜査官ジョーとその相棒コウルズは、捜査に行き詰っていた。
事件の共通点は3つ。
①証拠を一切残さない、②被害者の頸椎をアイスピックで一突きする手口、③被害者は全員不治の病を患っていたこと。
捜査官ジョーはかつての同僚のクランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に協力を仰ぐ。クランシー博士は、予知能力という特殊な能力を持っていたが、愛娘を病で失って以来、人付き合いもなくひっそりと山奥で暮らしていた。
一旦は断りながらも、事件に強く引き付けられ、捜査に加わったクランシー博士。
やがて彼は事件の影に、自身よりも優れた予知能力を有した容疑者(コリン・ファレル)の存在に気付く。
○アンソニー・ホプキンスが博士というだけで・・・
どうしてもハンニバル・レクター博士がチラついてしまい、FBI捜査官を裏切るのではないかという不安がよぎり、どうしても集中できない。笑
あらためて『羊たちの沈黙』ってすごい影響を与えてくれた映画なのだなーと思いました。
この映画でもやっぱりアンソニー・ホプキンスの存在感が素晴らしくて、諦念を抱えたクランシー博士の佇まいが心に残る。
そして、『羊たちの沈黙』のクラリス(ジョディー・フォスター)は、気は強いけど知性と弱さが同居した女性で礼儀正しかったのに対し、この映画のコウルズ(ジョーの相棒の女性捜査官)が、アンソニー・ホプキンスに無礼な態度を取る取る・・・!
お前・・・!やめとけ!殺されちゃうぞ!と終始ヒヤヒヤさせられました。
「アンソニー・ホプキンス=博士」というだけで、どうしても100%捜査官側の人間と思えない私。
そして、おそらく制作者もそれを意識していて、ストーリーも一捻りあって面白かった。
○邦題と原題問題
昨今よく問題になる邦題の問題。
個人的に、邦題は必要ないのではないかと思ってしまう派。
今のこの時代、分からない単語も一瞬で調べられるでしょ。
変な邦題で色を付けられてしまうより、原題タイトルのエッセンスを大事にした方がいいような気がする。
この映画の原題は「solace」。慰め、とか慰安という意味。
確かに「solace」は日本人に馴染みのない単語だと思うけれど、『ブレイン・ゲーム』という邦題ではこの映画のテーマがうまく伝わらないような気がした。
『ブレイン・ゲーム』だと、何というか”知恵くらべ”的な要素が強調されてしまって、邦題だけ見ると、『セブン』のようなサイコホラーを期待してしまうよね。
中盤までは『セブン』のような雰囲気あるから、サイコホラー好きの人も楽しめるとは思うけど・・・。
○感想「私だったら世捨て人を選ぶ」
※ネタバレがあるので未見の方はここから読まないでください※
原題の通り、この映画のテーマは「慰め」。
自分がもしクランシー博士であったらどうするか、映画を見る人は迷うだろう。
「殺人=悪」なのか。
アンブローズ(コリン・ファレル)の殺人の目的は、快楽のためでもなんでもなく「安楽死」。
しかも本人のためだけではなく、周りの同僚や家族のために「殺してあげている」のだ。
心身の苦しみや、周りの人間の悲しみ、経済的事情、全てわかってしまうが故の能力者の苦悩。
ラストシーンで、クランシー博士の額にアンブローズと同様の傷があったこと、別居中の妻との関係修復を選んだような描写があったことから、クランシー博士は、アンブローズの跡を引き継いでいくことが暗示されているように感じた。
クランシー博士がもしもアンブローズの跡を引き継がないならば、妻と関係修復したりせず山奥で暮らすと思うんだよなぁ。
私だったら、人間と関わって生きることはもう無理だと諦めて、一人で暮らすわ。
慰めを与える人間として生きるなんて、とんでもない重荷。
見る人それぞれ結末の捉え方が変わると思う。
ただ、アンブローズという人間がよく分からなくて、もっと彼の事情(安楽死を選んだ経緯とか、自分がこの役割を続けられないと感じた理由とか)をもっと掘り下げてくれたらアンブローズとクランシー博士双方に感情移入できただろうな、とそこが少し残念に感じたところ。
アンブローズさんの選択、理解できるから、なおのこと。
いろんな人の感想を聞いてみたくなる映画でした。
↓そして、『羊たちの沈黙』を見返したくなった。やっぱりレクター博士サイコー!
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Spring has come!
春が来てますね。
近所の桜も三分咲きといったところ。
週末には満開になるかな?
↓見上げるとカラスが巣作りしていました。
近所に植物園があるのですが、植物園の外の用地にも植物がたくさん植えられています。
入園しなくても十分楽しめます。
長閑な景色を眺めていると本当にほっとします。
自然が家の周りにあることに感謝です。
この環境をしっかり守らなくては。
特別にお出かけしなくても、リフレッシュできた休日でした。
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』
大人になるのもいいものだ。
ベルンハルト・シュリンクの『朗読者』を再読した。
初めて読んだのは、確か中学生の頃。
この物語の主人公ミヒャエルと同世代の頃だ。
父が薦めていたので、手に取ったのだった。
しかし、当時はこの物語の意味が分からなかった。
物語の中でセンセーショナルに描かれている”15才の少年が30を越えた女性と関係を持つ”という描写が、中学生の私には、グロテスクに思えて仕方なかった。
そこだけに意識が向いてしまって、この物語の根底にあるものを感じることができなかったのだと思う。
今、私は、ハンナと同世代の35才。
読み返してよかった。大人になるのも悪くない。
○あらすじ
15才の少年ミヒャエルは、ある雨の日、通学途中の道で気分が悪くなり、偶然通りかかった名も知らぬ女性に介抱してもらう。
ミヒャエルは黄疸に罹っており、数か月療養生活を余儀なくされたのだった。
病気が治った後、ミヒャエルは助けてくれた女性を探し出し、再会する。
女性の名前はハンナ。彼よりずっと年上の36才の女性だ。
ミヒャエルは学校帰りにハンナのアパートに通い、二人は肉体関係を持つ。
「なにか朗読してよ、坊や」
ハンナはいつもミヒャエルに本の朗読をせがむ。
ベッドの上でトルストイやホメロスを朗読するミヒャエルと、それを聴くハンナ。
しかし、ふたりの逢瀬は突然の終わりを告げる。
ある日突然ハンナが行方をくらませたのだった。
数年後、喪失感をかかえながら大人になったミヒャエルに、再びハンナの人生が交錯する。
○人の悲しみに寄り添うことはできるのか
会社での昇進よりも、無期懲役の判決よりも、ハンナには大切なことがあった。
多くの人は、その選択を理解できないかもしれない。
ただ、ハンナにとっては、あることを隠し通すことこそが自分を守ることだったのだ。
中学生の私には理解できなかった苦しみと悲しみがそこにあった。
人に知られたくない秘密、本人の力ではどうしようもできない問題、こうしたもので苦しむ人の悲しさ。
戦後のドイツであっても、現代の日本であっても変わらない普遍的な悲しみを描いているからこそ、この本は全世界で多く読まれているのだと思う。
LGBTであることを隠している人に「そんなこと誰も気にしないから話してごらん」と言うことの残酷さ、病気や障害を持つ人に「そんなこと大したことないよ」と励ますことの無責任さ。
相手のことを考えてしまうと何も言えず、行動できなくなってしまう自分がいる。
人は、人の悲しみに寄り添うことができるのか。
それが、この本を読んで私に突きつけられた命題だ。
○この本のいいところ
この小説は、様々な「問い」を投げかけてくれる。
人間が人間を裁くことが出来るのか、戦争とは何か、自己満足と欺瞞について、貧困と無知、知識を得ることで失うものはあるのか。
こうした答えのない問いが、「自分自身の物事との向き合い方」を考えさせてくれる。
答えがないからこそ、自分の中を深く覗いてみないと問いに向かいあうことができないのだ。
インターネットで検索したらすぐ答えが出る時代だけれど、世の中には答えがない問いも存在するのだということを認識させてくれる。
それもこの小説の素晴らしいところだと思う。
戦後ドイツの曇った空や、冷たい階段、本の匂い、ハンナの視線…
読者と一定の距離をおいた描写が好きです。
とても悲しい気持ちにもなるけれど、心が揺さぶられる物語です。
(好きな人には悪いけど、テレビのワイドショーなんて見られなくなるよ。)
ぜひ読んでみてほしい。
読んだことがある人も、また読んでみてほしい。
余談ですが、映画版『愛を読むひと』もとても好みでした。
間違いなく、ケイト・ウィンスレットの代表作だと思う。
鑑賞する際は、ハンカチ、ティッシュをお忘れなく。
↓手元に置いておきたい本
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↓映画版もおすすめ。ケイト・ウィンスレットが素晴らしい。ヴォルデモート卿も出ています。
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【オススメのYoutubeチャンネル①】家事にやる気が出ないとき
みんなは、どんな時にYoutubeを見るのだろう。
私は、家事にやる気の起きないときによく視聴している。
掃除をしたり、料理をしたりしているYoutubeチャンネルを見ると、自分のモチベーションも上がるから不思議だ。
そのモチベーションというのも、無理矢理元気を絞り出させるようなものではなくて、自然と手を洗いたくなるといった様な、とても優しい背中の押し方をしてくれる。
包丁で野菜を刻む音、掃除機の音、お湯を沸かす音、歩く音、マヨネーズを絞る音、こういった”人が暮らしている音”を聞いているだけで、心が落ち着くから不思議。
今日は、特に家事にやる気が出ないときにオススメの3つのチャンネルをご紹介。
yamame
ひとつ目のオススメは、yamameさんのチャンネル。
日々のお料理の様子を中心に、空や自宅近くの自然を記録しているチャンネル。
定点カメラの前で、淡々とお料理されている様子がとても素敵。
良い意味で凝ったお料理でない、編集に凝った動画ではないところが大好き。
丁寧に調理されている様子と、yamameさんのお人柄が動画を通じて伝わってきて、安らぎます。
きちんとお手入れされたキッチンと台ふきんの白さにはっとさせられて、何度キッチンの調理台を拭いたことか・・・。
私の心の栄養剤的なチャンネル。
そっと背中を押してもらいたい時にオススメです。
futaba
ふたつ目は、futabaさんのチャンネル。
ご夫婦二人暮らしされている日々の様子を記録したチャンネル。
とにかく、futabaさんが持っている物や暮らしぶりの全てが洗練されている。
お気に入りの物を沢山お持ちなのだが、それをしまい込むのではなく、実際に日々の暮らしで使いこなしている様子が本当に素敵なのだ。
最近、整理収納に目覚めた私にとって、目指すべき憧れの暮らし。
不要なものは持たずに、気に入ったものをきちんとお手入れをして使いきる。
そんな暮らしを実践されているfutabaさんにいつもエネルギーをもらっている。
特に、家事にやる気がでないときにオススメ。
OKUDAIRA BASE
最後のおすすめは、OKUDAIRA BASE。
奥平さんがDIYした素敵なお部屋で暮らす様子を記録したチャンネル。
家事は毎日のものだからこそ、奥平さんのように工夫して楽しんで取り組む姿勢でいられたらいいなぁと思う。
新しい道具の紹介なんかも頻繁にされていて面白い。
何か不足しているときに、すぐ購入するのではなく、まず自分で作ってみたり工夫できないかと検討する奥平さんの姿勢が素敵です。
「お菓子でも手作りしてみようかな~」と自然にやる気スイッチを押してくれます。
自分の部屋になんだか見飽きてきた、なんて時にぴったりのチャンネルです。
家事との向き合い方は、自分との向き合い方
最近、自分の暮らしぶりというものを考える時間が多くなっている。
ちょっと前までは、何か新しいものが欲しいだとか、あのお店に行ってみたいだとか、意識が外に外に向いていたのだけど、今は内側内側へと向かっている。
自然と、毎日の家仕事と真剣に向き合うようになってくる。
家事にやる気が出ない時というのは、自分と向き合いたくない時でもあるなぁと思う。
暮らしというのは、自分そのものだから。
暮らしを心地よく整えるというのは、自分を整えることと同じ。
しゃかりきに頑張る必要はないけれど、このチャンネルのように指標があると前向きになれてよい。